Dental Column

歯科コラム

「年齢と歯並びについて」

歯並びの気になられるお母様も多くいらっしゃることでしょう。
特に観察が必要な時期として、2歳半〜3歳6〜8歳10〜11歳の時期がポイントです。

■2歳半〜3歳
・E(第2乳臼歯)と呼ばれる歯も生え、乳歯が全て生え揃います。
・この時期に前歯に隙間がなかったり、デコボコと並んでいる場合、歯並びが悪くなるケースがあります。
・永久歯の前歯は、乳歯の前歯の1.2倍ほどの大きさをしています。つまり、永久歯の生えるスペースを確保する為に、乳歯列は隙間があるほうが良いのです。


■6〜8歳
・4本の前歯が随時、永久歯に生え変わり、6歳臼歯がE(第2乳臼歯)の後ろから生えて来ます。
・4本の前歯が、乳犬歯の間にキレイに並んでいれば、この時期は問題がありません。
・デコボコとしている場合は、将来的に八重歯になるケースも多いです。


■10〜11歳
・犬歯が乳歯から永久歯に生え変わってくる時期です。
・犬歯が生えてくることによって、スペースが足りていなかった場合、犬歯の生える力によって押されて、2番目の前歯が奥に入ってしまうケースがあります。
・この場合、その前歯が下顎の後ろに入ってしまう、反対咬合という状態になってしまいます。


これら、不正咬合を予防する為には、
・前歯でかぶりついて、奥歯でしっかりとよく噛んで食べる習慣をつけよう
・屋外でよく遊んで、運動しましょう。これら運動と、紫外線による刺激によって、生体内のカルシウム代謝が活発になり骨格の発育を刺激します。結果、歯の生えるスペースも確保され、歯並びを良くすることにも,一役買います。
・食欲のある子供に成るように、また、きちんと噛んで食べられるような食事を用意しましょう。

また、4歳以上の年齢であれば、矯正を開始することも可能ですが、ケースによって、適切な時期は様々です。ご不安の方は、一度ご相談下さい。

「フッ素とシーラント」

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最近はフッ素含有の歯磨き粉も多く市場に出るようになりました。また、勉強熱心なお母さんの中では、歯が生えて来たらフッ素で虫歯予防を行うという知識も、ほとんどの方がご存知です。

■フッ素について
フッ素には、歯の表面にあるエナメル質の成分と結合してフルオロアパタイトという、虫歯になりにくい強い歯へと変えてくれる働きがあります。
基本的には歯が生えはじめたら、フッ素を塗布してかまいません。
しかし、なかなか最初はお口をさわらせてくれなかったりしますので、遅くても1歳半ごろから3〜4ヶ月に一度は、フッ素を塗りに医院まで来てください。
また、ご自宅での歯磨きも、最初は水だけでされていらっしゃると思いますが、使えそうであれば、ご自宅でもフッ素含有の歯磨き粉を使ってみてください。
毎日少しずつ、歯とフッ素が出逢う機会を作ってあげて、また、歯医者さんでは3〜4ヶ月に一度の定期検診を兼ねたフッ素塗布(歯科医院専用のフッ素を用います)で、歯を強くしましょう!
生え始めたばかりの歯は、大人の歯に比べて、フッ素をより多く取り込めます。
また、小さい頃から歯科医院に通って頂くことで、「歯医者さんはこわくないところ!」ということを、肌で感じて頂ければと思います。痛くなる前に行く歯医者さん、を目指したいところです。

■シーラント
シーラントとは、予防的に奥歯の溝の部分に白いプラスティックの材料を充填することで、虫歯を未然に防ぐ目的で行われます。
乳臼歯が完全に出てくる1歳半前後〜、また、永久歯(6歳臼歯と呼ばれるもの)が生え始める6歳前後は、特にシーラントに適した時期と言えます。
虫歯になってしまってからでは、シーラントでなく治療になってしまいます。
生え始め、そして、生えきった頃がシーラントの時期になります。


「禁煙のススメ」

ここでは、禁煙のために何が良いのか、調べてみたのでご紹介致します。


・減煙よりも、断煙の方が止めやすい
・ニコチンガムをつかって禁煙をする(医師の処方箋が必要)
・タバコ切れの時には、冷たい水や熱いお茶などを少しずつ口を潤すように飲んでみる
・深呼吸をする
・体を動かしてみる
・歯を磨く
・野菜を食べる


色々と出て来ました。
私自身は喫煙したことがないので、禁煙の辛さはわかりませんが、まわりの話を聞くと、相当大変なもののようです。
しかし、ニコチンから解放されると、食事の味がおいしく感じ、胃の調子が良くなるそうです。多くの人は、そのせいで、体重増加を招くケースもあるようです。
その分、運動をして健康な生活にシフトするのも良いでしょう。

インプラントや抜歯など、外科処置の治り方も、喫煙者の方はなかなか治癒が遅いケースも多くあります。また、歯周病のひどい方は、喫煙もするし、歯のクリーニングには行かないし、で何年も放置した結果、取り返しのつかない所まで進行している場合もよくあります。

喫煙をされていらっしゃる方は、難しいとは思いますが、是非一度、禁煙にチャレンジしてみてくださいね。

「受動喫煙の被害」

タバコの煙には、主流煙と副流煙の2種類があります。なかでも、副流煙に含まれる有害物質は、主流煙に比べて有害物質が多く含まれています。

また、あるデータによれば、喫煙する夫を持つ妻が肺がんで志望する割合は、夫が吸わない場合に比べ、1.6〜2.1倍も高くなっています。また、母親が喫煙をする場合は、子供に対しての影響が大きく、ぜんそくや肺炎などの呼吸器系の疾患リスクが上がります。

このように、喫煙者だけでなく周りいる人にまで影響を及ぼす喫煙は、やはり好ましいものではないと思います。

百害あって一利無し、ですね。。

「メラニンと喫煙の関係」


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少し、インパクトのある写真でびっくりされている方もいらっしゃるかもしれません。
この方は、長年の喫煙によって歯肉がメラニンの増殖で黒くなってしまった方です。

メラニンの増殖は、歯肉だけでなく、皮膚でも起こります。タバコに含まれるニコチンの血管収縮作用は皮膚の毛細血管の血流を悪化します。その結果、皮膚は慢性の栄養失調となり、シミやしわが増えます。
歯肉でも、同じようなことが起きているため、歯肉の毛細血管も収縮のために炎症が現れにくいので歯周病の悪化が気付きにくかったり、また、血中のビタミンCはメラニン色素の代謝に関係する為、メラニンが増殖し、歯肉が黒くなってしまうのです。

最も、写真の方はメラニンの増殖が著しいため濃いですが、個人差もあって、うすく黒ずむ方、反応がキツくでて濃くなる方など様々です。

当院では、このようなメラニンの増殖によって歯肉が黒くなった方に、「歯肉漂白」を行っています。
数回の歯肉ピーリングによって、新しい歯肉を再生させることで、ピンク色の歯肉を取り戻す方法です。
気になられている方は、お問い合わせ下さい。

「妊娠・出産と喫煙」

喫煙率を男女差で比較した場合、男のほうが喫煙率が高いですが、20〜30代の女性の喫煙率は増加傾向にあります。妊娠・出産に適した時期に喫煙をしていると、女性ならではの妊娠・出産に大きな影響を及ぼします。


喫煙している妊婦は、非喫煙の妊婦に比べ、低体重出生時・早産・妊娠合併症の発症率が高いことは明らかです。
妊婦と胎児は、胎盤でつながっており、血液供給もそこから行われます。タバコに含まれるニコチンの作用により、胎盤の血管が収縮し、血流障害が起こります。そして、一酸化炭素がヘモグロビンと結合してしまうため、結果、胎児への酸素供給量が少なくなり、胎児は十分に成長することが出来なくなります。
このような胎児は、平均200g体重が少ないというデータもあり、また、低体重児の発症率は約2倍とも言われています。


また、出産後も喫煙したまま母乳を与えている場合は、ニコチンが母乳のなかにも分泌されるため、新生児がよく眠らない、下痢をする、嘔吐や頻脈など、ニコチン中毒の症状を訴えることもあるそうです。

やはり、新しい命を守るためにも、女性の喫煙は特に避けて頂きたいところです。

「タバコの3大有害成分」

タバコに含まれている、ニコチン、タール、一酸化炭素。これらが何故、有害とされるのか。詳しく見て行きましょう。

ニコチン
喫煙によって体内に吸い込まれるニコチンの量は、タバコ1本の中に1〜3mg。
ニコチンの経口致死量は、体重1kgあたり、約1mg。
つまり、タバコ1本を乳幼児などが誤って食べてしまった場合、死に至る可能性があります。
そして、ニコチンは血管収縮作用がありますので、血液の流れが悪くなります。
結果、動脈硬化の促進を始めとし、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患のリスクが高まります。

タール
タールには発がん性物質が含まれています。
タバコ1本に含まれるタールの量は、およそ5〜15mg
例えば、1日に20本喫煙する人の場合は、1年でコップ半分くらいの量(40〜11mgのタール)になります。
癌は、遺伝子だという説もありますが、喫煙者に肺がんや舌ガンなどの患者さんが多いのもデータとして事実です。

一酸化炭素
一酸化炭素は赤血球中のヘモグロビンと結びついて、その本来の働き(体中に酸素を運搬するという働き)を阻害します。結果、慢性的に脳細胞や全身の細胞を酸素欠乏状態にします。そうなると、ニコチンの血管収縮作用に加えて冠状動脈や脳動脈の硬化につながってしまいます。

「歯と歯周組織の構造」

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この写真は、健康な歯と、歯周組織をあらわした絵です。歯は、外側から、エナメル質、象牙質、そして神経や血管が通っている部分から成ります。

虫歯は、その深さのレベルによって、「C1」〜「C4」にまで分類されます。
「C3」「C4」になると、歯の神経まで虫歯が到達していることを意味します。

一方、歯を支える歯周組織は、その歯の周りに歯槽骨、と呼ばれる骨とそれにくっついて覆っている歯肉(歯ぐき)によって作られています。

歯ぐきから血が出る、なんていう症状がある場合、軽度なものでは歯肉炎と呼び、若い人や思春期の人などに多く見られます。
これは、食べカス、磨き残しによってできる歯垢(プラーク)や歯垢が固まってしまった歯石によって、細菌が増殖し、歯肉が炎症をおこすものです。
汚れの原因である、歯垢や歯石を除去することで炎症はおさまります。

また、歯肉炎がさらに進行すると、歯周炎という状態になります。いわゆる、歯槽膿漏・歯周病と言われるものです。
これは、歯を支える歯槽骨、骨が溶けてしまうことによって、悪化すれば歯が抜けてしまうこともある病気です。
歯周炎は、サイレントディジィーズ、つまり、知らない間に進行してしまう病気でもあります。これは、レントゲンや、歯と歯肉の間の溝の深さなどを計測することで、そのレベルを判断することが可能です。
歯周炎の一番恐ろしいところは、一度溶けてしまった骨は、なかなか元通りにはならないというところです。
大切なのは、歯周炎になる前に定期的なクリーニング等で進行を食い止めること、また、歯周炎の状態になってしまってからでも、悪化しないようにメインテナンスを続けることなのです。

このように、虫歯を始めとして、歯肉炎や歯周炎を予防する為に大切なことは、
・3ヶ月〜6ヶ月に一度の定期検診とクリーニング
・早期発見、即時治療

だと言えます。

当院では、これら疾患の予防に関するプログラムを作成しております。

「歯磨きのポイント」

子供さんの歯磨きの仕方について、ここでは触れて行きたいと思います。
(お母さんも一緒にマスターしてくださいね!)

■歯磨きのポイント
  ☆子供のお口に合った、ヘッドの小さい歯ブラシを選びましょう
  ☆持ち方はグーでなく、鉛筆持ちで、優しい力で磨きましょう
  ☆鏡を見ながら、磨けているかチェックしましょう
  ☆楽しみながら、毎日磨く習慣を付けて行きましょう
  ☆特に汚れが残りやすい、歯と歯ぐきの間、歯と歯の間、奥歯の噛み合わせの部分、歯の内側を重点的に磨きましょう
  ☆仕上げ磨きの時は、まず褒めてあげること。そして、子供と一緒に楽しく磨くこと
    が大切ですよ!
  ☆仕上げ磨きの時の姿勢は、お母さんのお膝の上に子供を乗せてあげるとお口の中が
    見やすいですよ!
   (暴れるときは、お母さんの太ももの間に子供さんの頭を挟み込んで、両腕は、お母さんの太ももの下に固定する場合もあります!)
  ☆2〜3歳になったら、10から0まで数字を数えながらブロックごとに歯磨きすると、数の勉強にもなるのでおすすめです!

「おやつの与え方」

乳歯は、永久歯に比べると、軟らかいため、虫歯になりやすいです。また、甘いものが好きな子供も多く、親も、子供が泣いたらお菓子をとりあえず与えてだまらせてしまう・・なんていうお母さんも多いのではないでしょうか。

お菓子に含まれる糖分は、脳にとっては必要な栄養素ですし、情緒的に満たされると言う点に於いても、とても素晴らしい効果もあります。
大切なのは、
「どんなお菓子を与えるか?」 
「どういう風にお菓子を与えるか?」 
「お菓子を与える時の約束事を守れるか?」 

にあると思っています。
たとえば、ビスケットやクッキーなど、歯にくっつきやすいお菓子は、虫歯にもなりやすい性質がありますし、だらだらとあげていると、それだけ虫歯になるリスクも高まります。


■おやつを与える時のポイント
 ☆噛みごたえのあるお菓子を選びましょう
  顎の発達を考えた場合、よく噛むことで顎は発達します。今後の歯並びのことを考
  えた場合、顎の発達はとても大切なポイントです。
  ガムが食べれるようになったら、キシリトール入りのモノをセレクトして下さいね。

 ☆歯にくっつきやすいお菓子は避けましょう
  ビスケットやクッキー、チョコレートなどは歯にくっつきやすいので、歯磨きでも
  取り除きにくいのが特徴です。すなわち、虫歯になりやすいのです。

 ☆炭酸入りジュース、ポカリスエットなどの清涼飲料水には注意しましょう
  コーラなど、甘くて美味しい飲み物は、子供の虫歯を助長します。お菓子と一緒に
  何かを飲む場合は、お茶など、出来る限り甘いものは避けましょう。

 ☆1回で食べる量を決めましょう
  だらだら食べたり、食べ過ぎたり。一番よくありません。人間は、ご飯を食べると、
  口の中のpHが下がり、酸性になります。酸性ということは、虫歯になりやすい環
  境になるということです。つまり、お菓子を食べる回数が増えると、そのあとはす
  ぐに虫歯になりやすい環境になるので、虫歯になる機会が増えると言うことです。
  だらだら食べずに量と時間を決めましょうね。

 ☆食べた後にはもちろん歯磨き!
  そうは言っても無くてはならないのがお菓子。食べた後には歯磨きがお約束!
  毎日の積み重ねが、将来の子供の歯の環境を良いものにしてくれることでしょう。
  なんでも根気が大切! お母さんと子供で一緒になって頑張りましょう!
 
 ☆仕上げはフッ素で。
  忘れないでくださいね、予防に一番なのが、フッ素です。お家で毎日、3ヶ月ごと
  に、歯医者さんでもフッ素。これが続けば、健康な歯でお菓子も食べられますよ!

「指しゃぶりのお話」

指しゃぶりは、ずっと続けていると、上の前歯が出っ歯になってしまいます。なぜなら、日中、指が口の中にあり、また吸う力が骨の成長を前へ前へと促してしまうため、骨や、骨と一緒に歯も前へと出てしまうのです。

生後3ヶ月頃から始まる指しゃぶりは、「これが指なんだ!」「これはどんなものかな?」と言った、成長過程に必要な行為として有用です。しかし、いつまでたっても指しゃぶりをやめない子供も中には居ます。

ある大学の3歳児検診での指しゃぶりの有無を尋ねた調査結果では、全体の15%が指しゃぶりをしているとの報告がありました。つまり、3歳前後までは、なんらかの形で指しゃぶりをしている子供が多いと言う訳です。

結果からお話しすると、遅くても3歳までには指しゃぶりの癖を取るように努力しましょう!ということです。

永久歯の歯列へ、大きく影響するのは5歳をすぎてもまだ指しゃぶりをしている子供さんです。
その場合は早急に指しゃぶりを辞めさせる必要があります。


■4〜5歳児の指しゃぶりの辞めさせ方
この頃まで続けている子は、なかなか辞めさせるのが困難です。無理矢理辞めさせようとしても、それがかえって逆効果になってしまうこともあります。指はしゃぶらなくなったけど、タオルやおもちゃをしゃぶりだした・・ これもよくあるパターンです。

子供さんが、いつ指しゃぶりをするのかをじっと観察してみてください。
お腹がすきだしたら、寝る前になったら・・子供によって様々です。寂しくて、など、精神的な原因による場合もあります。

子供の精神的な問題、情緒の発達等、そのような観点から考えた場合、無理に辞めさせることが子供にとって最善策かは、意見の異なる所ですが、歯科の観点からすると、将来的に歯並びが悪化する可能性があるので、出来れば3歳までには指しゃぶりも卒業して頂けたらとは思います。

最終的に、色んな情報をもとに、子供にとってベストな方法を選択してくださいね。

「虫歯予防のポイント」

子供の虫歯の特徴は、進行が早い お母さんやお父さんに虫歯が多いと子供も多い傾向にある などの特徴があります。ですので、子供の虫歯を予防する為には次のような注意事項が挙げられます。


★ 歯磨きの習慣をつける!
基本は歯磨き!磨くことも大切ですが、汚れを落とすことが歯磨きの原点だということも忘れずに!

★ 仕上げ磨きも一緒に!
まだまだ、子供まかせでは取り返しがつかないことが多いので、お母さんが必ずチェックしてくださいね!

★ お母さん、お父さんもきちんと虫歯が無いように気をつける!
虫歯の菌、歯周病の菌、歯科の病気は、細菌が原因です。親から子供へと菌が移り、感染します。ですので、親のお口の状態は、そのまま子供へと移行します!

★ お母さん、お父さんが使ったスプーンでごはんをあげない!
離乳食が始まりだし、色んな食事ができるようになると、ついつい、アーンして、と親と同じスプーンで食べさせてしまうことが多いもの。しかし、歯科の病気は細菌が原因。できるだけスプーンは分けましょう!

★ 歯医者さんに慣れよう!
いざ、虫歯になってしまったら、なかなか怖がって治療が出来ないお子様も多いです。歯医者さんは怖い所じゃないよ!ということを理解してもらう為にも、普段から、歯医者さんに通う習慣をつけましょう。

★ 歯が生え始めたらフッ素が有効!
子供用の歯磨き粉にも、最近はフッ素含有が当たり前のようになってきました。子供の歯は、特にフッ素を吸着しますので、虫歯予防に有効です。毎日の歯磨きは出来るだけフッ素入りのもので。歯医者さんでは少し濃度の高いフッ素で、定期的にメインテナンスがベストです。

★ 予防処置にはシーラント!
臼歯とよばれる奥歯の中でも、溝の部分は、特に汚れのたまりやすいところ。虫歯になる前にシーラントをすることで、虫歯を予防します。特に、大人の第1大臼歯(6歳臼歯)は、溝の形が複雑ですので、この歯が生えて来たらシーラントをお勧めします。

★ 毎日の生活ではキシリトールを!
フィンランドでは、食後にかならずキシリトール入りのガムを噛むそうです。お子様が、ガムを食べられようになったら、キシリトール入りのガムを食後に食べるようにしましょう。ガムは唾液の分泌を促進する働きがあり、また、キシリトールは虫歯の原因の酸を産生する働きを抑制しますよ!

「子供の成長にあわせたケア」

ここでは、子供の成長期にあわせた特徴と、ケアの方法をご紹介します。

<乳児期> 
赤ちゃんの舌には、ミルクカスのような白っぽいものが時々たまります。水やぬるま湯でしめらせた布やガーゼで時々拭ってあげてください。もちろん、イヤがる時は無理せずに。

<生後7〜8ヶ月頃>
そろそろ、かわいらしい前歯が生えてくる子供が増えてきます。歯が生えて来たら、布やガーゼなどでぬぐってあげてください。離乳食が始まっていますので、歯磨きの習慣を徐々に慣らして行きましょう。

<1歳になったら>
歯ブラシを使い始めましょう。まずはお母さんが一緒になって磨いてみてください。子供は、お母さんの真似をしながら色んなことを学習します。歯磨きも一緒に楽しくしてくださいね。

<3歳を過ぎたら>
そろそろ1人でも磨けるように訓練しましょう。けれど、仕上げ磨きはまだまだ必要。鏡を見ながら一緒に楽しく歯磨きしてくださいね。

<5歳を過ぎたら>
食べたら磨く!の習慣を規則的に行う為にも、朝、昼、晩の1日3回磨きを実践してください。寝る前の歯磨きでは必ず、磨き残しが無いかチェックしてください。

<6歳を過ぎたら>
そろそろ第1大臼歯(いわゆる6歳臼歯)が生え始めます。これは、大人の歯になりますので、特に念入りに磨かないといけません。特に、溝の部分は虫歯になりやすい場所なので気をつけてくださいね。

仕上げ磨きは10歳ぐらいまで一緒にしてあげるのが良いでしょう。面倒でも、それが子供の将来の歯を決めてしまうと思ったら、きっと頑張れるはずです!
続けることが大切ですよ♪

「3歳ごろのケア」

3歳にもなってくると、階段も普通に登れるし、絵もかけるし、歯磨きや手洗いなども簡単にできるようになっていることでしょう。
この頃になったら、そろそろ、自分でも磨く、という習慣をつけて行きましょう。

まずは、歯ブラシをグーで持って、鏡の前で一緒に歯磨きをしましょう。
できれば、毎食後が望ましいのですが、外出先で出来ないときなどは、ブクブクうがいでも構いませんが、寝る前と、朝はかならず出来るようにしましょう。
そして、仕上げ磨きは必ず必要です。できれば、子供さんが1人で磨くための歯ブラシと、仕上げ磨きでお母さんが使う歯ブラシはそれぞれ1本ずつ用途にあったものをセレクトしてあげるのも良いでしょう。
そして、歯磨き粉も、フッ素入り、キシリトール入りのものがたくさん出ていますので、表示を確認して、是非歯磨き粉も使うようにしてください。

また、医院では、3〜6ヶ月に1度のフッ素塗布も行っています。医院で使用するフッ素は濃度も高いので、定期検診も兼ねて、是非いらしてください。
定期的に検診を兼ねて歯医者さんに通うことが何故大切かというと、虫歯になってからでは子供も怖くてなかなかお口を開けてくれないばかりでなく、治療もなかなか出来ないケースが多いのです。
歯医者さんは怖くない所なんだ、ということを、子供が肌で感じる必要があるのです。そのためには、繰り返し、根気よく通うことが潜在的に重要になってくるんですよ。

子供の歯を削るのは、歯医者さんでもやはりつらいのです。できれば、虫歯が無く、削ることがなく過ごせたら、、と思うのです。だからこそ、痛くなる前に、痛くならないように、歯科医院へ通って頂けたらと思います。

「2歳ごろのケア」

すべての乳歯が生え揃い始めます。かたいご飯も食べられるようになり、スプーンを使って自分で食べるようになります。

この頃にはきちんとご飯をかんで食べるように、噛む習慣を付けられるように配慮してください。噛む練習をベビーフードばかりに頼ってしまうと、きちんと噛んで食べる習慣はつきにくいです。食べ物をあまり刻みすぎないように、また、野菜の煮物やバナナなどを少し大きめにカットして噛まないと飲み込めないようにすると、噛む習慣もつきやすいでしょう。試してみてくださいね。

また、噛むことは大事なのには理由があります。いくつか挙げてみますね。
・消化を助けてくれる
・唾液の分泌が良くなる
・脳の働きを活発にする
・顎の成長を促す
・食材の異物を発見し排出する

この中でも、唾液の分泌が良くなると言うのが、ポイントです。
唾液は、歯についた食べ物を洗い流してくれる作用があったり、唾液中のカルシウムが歯に沈着して歯を強くしてくれる作用があったり、また、甘いものを食べてお口の中が酸性に傾いたものを正常に戻してくれるのも唾液です。
つまり、唾液が分泌されることによって、虫歯になりにくくなる、というわけです。

これは、大人でも同じことで、よく噛んでたべる、また、食べたらキシリトール入りのガムを噛む、なんて言うのも、同じようなことが目的だったりするんですよ。

「1歳半ごろのケア」

自由に歩いたり走ったりすることが出来るようになり、ご飯も不自由無く色々なものが食べられるようになります。この頃の不安は、不意の転倒などによる外傷です。口の周りを切ったり、ぶつけたり、予想外の出来事で怪我をしてしまうケースも多々あります。

唇や粘膜が傷ついた場合、子供はときに多くの出血をするため、ご両親もびっくりされて焦ってしまうこととおもいますが、ここは落ち着いて、清潔なガーゼなどを咬ませたり等して、圧迫止血を行ってください。止血しなかった場合は、医院までご連絡下さい。

また、歯が折れたり、抜けてしまったりした場合は、その歯を探して、捨ててしまわずに、牛乳などにつけて保存し、医院まで持って来てください。一番大事なのは、出来る限り短時間で適切な処置を受けることです。 と言うのも、抜けた歯によっては、もとに戻せば使えるケースもあるからです。
また、ぶつけた場合は、2〜3日のうちに、みるみる歯の色がグレーになってしまう場合もあります。こういう変色が見られた場合は、歯の神経が死んでしまったことが原因の変色です。虫歯などと違って歯の神経が感染したわけではないので、そのまま使う場合もあります。見た目が気になる場合には、歯の表面に白い材料を塗って、グレー色を隠すことなんかもできます。このあたりは、ご相談頂ければ対応させて頂きます。

「1歳〜1歳3ヶ月ごろのケア」

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いよいよ、離乳食の完成時期に入ります。そろそろ、大人と同じようなものが食べられるようになってきますね。腕、手首、口の動きの協調運動を覚えたり、道具を使って食べる練習なんかをスタート出来るようになって来ます。

早い子では、奥歯も生えてくる子供も居ます。そうなると、しっかり噛み砕くこともできるようになってくるので、しっかりと食べられるようになって来ます。
口へ詰め込みすぎたり、食べこぼしをするうちに、色んなことを学習して覚えて行きます。
食べ散らかしても、学習、学習!と思って、おおらかな気持ちで楽しくお食事が出来るといいですね!

ケアのことですが、奥歯が生えてきだすことで、奥歯の溝の部分も念入りに磨く必要が出て来ます。
歯の溝は、とても複雑な構造をしていますので、その分、食べカスなども残りやすいのです。ここを歯磨きで磨き残してしまうと、虫歯になりやすくなってしまいます。
気になられる方は、フィッシャーシーラントと言って、予防的にその溝を白い樹脂の材料で埋めてしまう方法なんかもありますので、ご相談下さいね。

「9ヶ月〜1歳児のケア」

9ヶ月にもなると、離乳食もそろそろ後期に突入している頃でしょう。舌の動きも前後、上下、左右と色々な方向へ動かせるようになり、歯ぐきでごはんを噛み潰して食べられるようにもなって来ます。

この頃になると、ほとんどの子供が前歯が生えてそろい終わってくると思います。また、丁度、生えたての状態なので、逆に言えば歯の質もまだまだ未完成でもあります。
と言うのも、歯と言うのは、数年使って行くうちに、唾液中のカルシウムが歯に沈着し、強さを増して行くからなのです。さらに、まだまだ離乳できておらず、哺乳瓶で甘い飲み物を飲む機会も多いので、虫歯になりやすい環境が整ってしまっているのです。

これらを改善し、虫歯になるリスクを減らすにはどうすればいいのでしょう?

・虫歯菌が赤ちゃんに感染しないような配慮をする
  →両親に虫歯が多いと、子供にも感染します。まずは、両親が虫歯を減らしましょう。そして、食事の時には、一緒のスプーンなどを使わず、子供には子供専用のスプーンや食器を使うようにしましょう。

・哺乳瓶で甘い飲み物を与えないようにしましょう
  →ジュースやイオン飲料などを日常的に哺乳瓶で飲ませている子供は、虫歯になりやすいというデータがあります。ミルクや母乳にも糖分は含まれているので、寝かしつけなどで飲ませたまま歯磨きをせずに就寝。。となると、どうしても虫歯になりやすいので、寝かしつけの前などは、麦茶やお白湯など、糖分が入っていないものを選んでください。

・上の前歯が虫歯になりやすい時期です!
  →この時期は、上の前歯が虫歯になりやすいため、お母さんの歯磨きの時には、是非念入りに磨くようにしてください。歯と歯の間や、歯と歯ぐきの境目なんかが虫歯になりやすい場所ですので、磨く時にも、その場所を念入りに!お願いします。

「タバコによる弊害」

最近は、禁煙エリアがあちらこちらで増えて来たとは言え、なかなか喫煙者が減らないのも現状です。また、女性の喫煙者も最近では増加傾向にあるとか・・

喫煙によって、肺がんや胃がんになる人が多いと言うのはどこかでお耳にされている方も多いことでしょう。しかし、全身疾患だけでなく、お口への弊害もかなり多くあるのです。
ここでは、喫煙による弊害を少し挙げてみましょう。

1、歯の着色
 ステインと呼ばれる着色は、タバコに含まれるタールなどが原因で歯の表面に沈着していきます。これらは、見た目だけでなく、歯の表面をデコボコにするため、歯の汚れをさらに付着しやすい環境を作ってしまいます。

2、歯周病の進行
 汚れが付着しやすい環境の喫煙者のお口の中は、歯磨きで除去しきらないうちに、やがて歯石へと変化します。歯石になってしまうと、お家での歯ブラシでは除去できません。
 また、タバコに含まれるニコチン、アクロレイン、シアン化物が原因となって、口腔内の免疫環境はその機能を低下してしまいます。
 結果、たまりがちになってしまった汚れに対する防御反応が低下し、歯周病は進行してしまうのです。

3、口臭の悪化
 そうして、口腔内環境が悪化してしまったお口の中は、タバコ臭さとともに、歯周病による口臭も原因となってさらに悪化してしまうのです。

4、治癒の遅延
 タバコによる免疫機能の低下は、傷の治りも遅くしてしまいます。つまり、抜歯や外科的処置のあとの組織の治癒も遅くなってしまいます。
 ですので、インプラントをされる方には出来る限りの禁煙をお願いしています。

「7・8ヶ月児のケア」

そろそろ上下の前歯が数本、生えそろってくる子も出てくるでしょう。早い場合では、上下で8本ぐらい顔を出してる場合もあり、また逆に下の歯が2本ほどしか出ていない場合もあります。

離乳食も、1日2〜3回に増えたり、舌でごはんをつぶして、ゴックンできるようになってきていることでしょう。下の上下運動が出来始める頃なのです。
この頃に入ったら、そろそろお母さんとお子さん一緒に歯磨きを始めて行かれると良いでしょう。

しかし、寝返りも出来始め、なかなか言う通りに動いてくれなかったり暴れたりで、歯磨きどころじゃない方がほとんどだと思います。
おススメの方法をご紹介致します。

お母さんの太ももの間にお子さんの頭を挟み込む方法 
 まず、お子さんの頭を、お母さんの太ももの間に挟み込みます。
 次に、お子さんの両腕をお母さんの太ももの下に入れ込み,固定します。
 歯ブラシを用いて、手早く歯磨きを開始します。

つかまり立ちが出来るようになれば、大きな鏡の前で歯磨きの様子を見せながら一緒に磨く方法もあります。この場合は、暴れてしまうと効果がないので、機嫌の良い時には、たまにやってみるのも良いでしょうね。

「5・6ヶ月児のケア」

約6ヶ月頃から、歯が生えはじめてきます。中には、6ヶ月になっても歯が生えてこない子も居てるので、多少の前後は個人差として捉えてくださいね。

ちょうどこの時期は、離乳食のスタート時期と重なります。まだまだ、舌の前後運動が見られますが、唇を閉じて、ゴックン、と飲み込む動作が出来るようになってきます。

歯が生えてくると、心配になってくるのが、ケアの方法です。
最近ではいろんな製品が出ており、指サックのようなもので食べ残しを取ったりするようなものや、ガーゼのようなもの、また、小さい歯ブラシのようなものまで、多種多様です。
まずは、ガーゼや綿棒などで授乳後や離乳食後に歯のまわりを拭くことから始めてみましょう。余裕があれば、歯ブラシの感触になれてもらう為に、歯ブラシトレーニングを始めてみても良いでしょう。

また、この時に使う歯ブラシは、喉を突かないようなものをセレクトしてくださいね。未然に事故を防ぐのが目的です。

どうしても、こういうケアが難しいお母さんは、食後にお茶やお白湯などを飲ませて、洗い流すのも良いでしょう。ポイントは、糖分が口の中に残ったまま寝かせてしまうのを防ぐ点にあります。 この時期は、なかなか難しいので、無理無くスタート出来る時期を選んでくださいね。

「0歳〜4ヶ月児のケア」

赤ちゃんが生まれてすぐは、歯ぐきの中で,永久歯(大人の歯)が石灰化して成熟している頃にあたります。
また、この頃から生後4ヶ月頃までの間は、お乳を飲むことで5ヶ月以降の離乳に備えてお口のまわりの筋肉や舌などの運動が発達する頃でもあります。

舌は、前後にしか運動することができません。また、なんでも口唇で色んなものの形や感触などを知って学習するので、この時期の指しゃぶりは気にせずに様子を見てあげてくださいね。

「マイナス0歳児から」

マイナス0歳児、つまり、赤ちゃんがお母さんのお腹の中に居る時から、赤ちゃんの為のお口のケアも始まっています。
というのも、乳歯の芽はお母さんのお腹の中で作られるためだからです。

まず、顎の骨が作られ、乳歯の芽が出来始めるのは、妊娠7週目、つまり妊娠2ヶ月頃なんですね。そして、妊娠8〜15週、つまり妊娠3〜4ヶ月の頃には永久歯の芽も出来始めます。
その後、妊娠4ヶ月で乳歯は石灰化を始めカルシウムが沈着し徐々に硬く成熟して行きます。
つまり、お母さんがバランスよく栄養を摂取することで、赤ちゃんの歯質は決まってしまうのです。虫歯になりやすい子、なりにくい子を決める一番はじめのケアは、赤ちゃんが生まれる前から始まっているんですね。

マイナス0歳児から、お母さんが赤ちゃんのために、きちんとバランスよく栄養をとりましょう!

「チタンとアレルギー」

さて、チタンは金属ですが、アレルギー性は大丈夫なんだろうか??と気になられている方もいらっしゃることでしょう。
チタンは普段の小さい虫歯などでは使うことが全くない素材ですが、インプラントでは大活躍の材料です。

チタンは、インプラント治療において、骨に埋まる部分である、フィクスチャー(歯の根に相当する部分)などに使われています。チタン自体は、金につづいて生体親和性が高く、ヒトに対してアレルギーを起こす可能性は極めて低い素材なのです。
また、硬さも素晴らしく、腐食もしにくい素晴らしい材料です。

仮に、金属アレルギーという方であっても、インプラントは問題なくご使用頂けますのでご安心下さい。

「ゴールドとアレルギー」

「”金歯”はすごくいいらしい!」 聞かれたことがある方も多くいらっしゃると思います。
”金歯”、いわゆるゴールドは、ほどよく軟らかく、使って行くうちに、良い具合におくちに馴染んでくれる材料です。私も、以前に治療したことのある金歯が、もうかれこれ10年ぐらい長持ちしています。

金属の中でも、ゴールドは抜群に機能性が高い材料と言えます。また、生体親和性の高い材料で(=体になじみやすい材料、という意味です。)、金に対して金属アレルギーがある方は、まれにしかいらっしゃいません。
ですので、特に奥歯で、見えにくい上の歯などの治療の場合は、ゴールドを選択することが賢明なのではとも思います。
ゴールドの唯一の欠点を探すとすれば、見た目が白くないことですね。
見た目を気にしないのであれば、今ある素材の中で、ゴールドは特に機能的には1番優れていると思います。

「歯科金属が原因と言われる疾患リスト」

歯科金属が原因で引き起こされる、様々な疾患を挙げてみました。これら疾患は、お口の中に金属があれば、将来的におこる可能性があるものばかりです。感受性に個人差はあるものの、金属にはこれらリスクがあることもご理解頂く方が良いかと思います。

・ 異味症(味覚異常)
・ 沈着症(金属イオンの溶け出しによる色素沈着)
・ 歯牙変色症(金属イオンの溶け出しによる歯の変色)
・ アレルギー性皮膚炎、接触性皮膚炎
・ 蕁麻疹(全身、局所など)
・ 扁平帯癬
・ 白板症
・ 掌蹠膿疱症
など。

「アマルガム治療による弊害」

アマルガムをご存知でしょうか?
日本では、現在のようなレジンと呼ばれるプラスチックの白い素材が使われるまで、アマルガムと呼ばれる材料で治療が行われていました。主に70年代がそのピークで、日本では健康保険内の治療でも使用されていたため、多くの方が小さい虫歯はアマルガムで治療されていました。

アマルガムはとてもやわらかく、使用しているうちに、歯とアマルガムの間の隙間を埋めるように広がってくれるため、2次カリエスになりにくいという長所がありました。加えて、一日で治療が終えられるため、多くの先生達が用いていました。

しかし、問題となるのは、アマルガムの副作用です。
アマルガムは、その半分が水銀で出来ています。昔、体温計に水銀が使用されていて、危険だから触ったらダメ、と言われたことはありませんか?
水銀は、お口の中で腐食しつづけ、3年経つと劣化の兆候を示すと言う研究結果も出ています。また、劣化し続けるアマルガムをそのまま使用することで、気付かないうちに、脳や肝臓、腎臓などに蓄積するとも言われています。

また、問題なのが、水銀が妊娠しにくくなる原因の1つであるという報告や、体内を通して、胎児や母乳へも水銀が届く恐れもあるという研究結果です。
事実、これらのアマルガムの副作用により、イギリスやスウェーデンでもアマルガム使用を規制する動きが出て来ています。
ですので、もしまだお口の中にアマルガムがあると言う方は、早めに違う素材へとスイッチする方が賢明だと思います。 もし、どれがアマルガムで、どれがインレーかわからないと言う方がいらっしゃったら、一度お越しいただければ詳しくご説明させて頂きますので、遠慮なくおっしゃってくださいね。

「金属アレルギーと歯科金属」

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金属アレルギーでお悩みの方、案外多いのではないでしょうか?
知らず知らずのうちに、歯医者さんで治療してもらった銀歯たち。これらは、ニッケルやクロム、銀などを使った銀合金でできています。

お口の中は、唾液と言う水分に常にさらされている状態です。
そのため、お口の中にある金属は、徐々に溶け出します。やがて、プラスイオンとなりそれが体内にあるタンパク質と結合し、それを異物と見なした場合、身体が異常反応を示し、アレルギーとなるのです。
こういった症状は、数年かけて徐々に現れてくることも多く、すぐに発症するとは限りません。
また、このアレルギーは、口の中だけでなく、手や足などの体表面に現れたりしますので、気になる症状がある方は、一度ご相談下さい。
当院では、金属を全く使わない治療も行っております。

「つわりがある時のお口のケア」

つわりは、人によって程度も種類もバラバラです。
私の場合は、歯磨きがオエ〜っとなるタイプだったりしました。突然、昨日まで平気だったことが気持ち悪くなったりするんですね。
こんな症状がある方の為に、つわりの時のお口のケアをまとめてみました。

1、体調が良い時に歯磨きをしましょう
2、ブクブクうがいを十分にしましょう
3、歯ブラシはヘッドの小さい、コンパクトなタイプを選びましょう
4、無理に歯磨き粉を使わなくてもよいので、1回の分量を減らしたり、無しで磨いてみたり工夫してみましょう
5、顔を下に向けて磨くことで、喉の奥に唾液をためないようにしてみましょう
6、つわりの時は、つまみ食いも増えてしまう方も多いです。食べたら磨く、もしくは、食べたらガムも一緒にかんでみるのも良いでしょう(キシリトール入りのものが良いでしょう)
7、もしも吐いてしまったら、その後はお口をゆすぐか磨くようにしましょう(そのままにしておくと、歯が胃酸によって溶けてしまう事もあります)

つわりがおさまれば、また普通に歯磨きができたりします。つらい時期ですが、乗り越えれば安定期が待っています。頑張ってください!!

「妊娠中のお薬について」

妊娠中、特に初期(妊娠4週〜15週)のお薬は注意が必要、というのはご存知の方も多いと思います。
とは言っても、妊娠中でも我慢出来ない痛みや風邪など、お薬に頼らなくてはならない場面に遭遇します。 当院では、妊婦さんへの影響が低いお薬を常備しています。

抗生剤であれば、セフェム系。鎮痛剤であれば、カロナール。など。こちらも、体内への影響、胎児へのリスクなどが少ないと言われるものを処方させて頂いております。

服用の時期としては、妊娠4週目〜16週目は催奇形性(奇形児出生のリスク)を及ぼす恐れがあるので、基本的に投与しません。しかし、症状によってはお出しすることがあります。心配でしたら、お尋ね下さい。
なお、産科医に投与前に確認をさせていただいてから処方させていただく場合もございます。

また、妊娠1ヶ月(0〜3週)は基本的に薬の影響を受けない時期とされています。たとえ、影響を受けたとしても、着床しないか流産となります。あるいは、その影響が遺伝子レベルで修復され形態的な異常にはつながらないそうです。
大切なのが、妊娠2ヶ月〜4ヶ月(4〜15週)、特に4〜7週目は、赤ちゃんの概形や臓器が作られる時期なので特に慎重にならなければいけません。

お薬は飲まない方が安心だとは思いますが、飲まないと治らない場合もございます。
自己判断をして無理をせずに、不安な症状がおありの方は早めにご相談下さい。

ちなみに余談ですが、妊娠初期に「葉酸」を摂取すると、神経系の発達にいいよ、と聞いたりしてタブレットを飲んだりしていました。また、妊娠以前には栄養補給の為にポポンSなどのビタミン剤を飲んでいましたが、ビタミン剤の中に含まれるビタミンAなどの脂溶性ビタミンは摂取してはいけないそうです。普段の栄養補給を、食事から取るようにと意識せざるを得ませんでした。普段からビタミン剤がお好きな方は、お気をつけ下さいね。
おすすめは、チョコラBBです。妊娠中のビタミン補給が可能ですので、口内炎や口角炎が出来る方は、一度薬局やさんで探してみてください。最近は、「シミ・そばかす」に特化したチョコラBBルーセントC という製品も市場に出ております。

個人的には、こちらが一番おすすめです♪

「妊娠中の治療について(麻酔やレントゲン)」

妊婦さんの産後でも可能な治療に関しては、あえて妊娠中には行いませんが、どうしても治療をしなくてはいけないケースも多々あります。
その場合、レントゲンの撮影や、麻酔なども必要になってくる場合があります。


麻酔について

歯科で使う麻酔の量は低濃度・少量使用の為危険性が極めて低く、また、体内に吸収されてからも胎児のところに届くまでに分解され、まず影響がありません。
歯科で使う麻酔の成分の中に、「エピネフリン」という物質があります。これは、血管を収縮させる働きを持っています。少し心臓がドキドキするような作用があります。
このエピネフリンは歯科では8万分の1の濃度のものを使用します。これは、体内で痛みを感じた時に分泌される物質に似ており、歯科で使用する麻酔薬1本の約10倍程の濃度が分泌されると言われています。
つまり、痛みを我慢して治療を行うよりも、麻酔を打ってから処置をする方が、はるかに身体にとって優しいと言う事が言えるのです。
必要に応じて麻酔を使用して処置を行う場合(大きい虫歯の処置や抜歯など)は、麻酔を使用する事をお勧めします。
ちなみに、歯科の麻酔で以前気分が悪くなったことがある方は、治療前にお伝え下さいね。

レントゲンについて

レントゲンに関しては、下記のデータを一度みてみましょう。

・妊娠3週目までに50〜100mSVの放射線を浴びると胎児が育たない危険がある
・妊娠4〜12週目の間に100mSV以上の放射線を浴びると胎児に奇形が生じる可能性がある
・妊娠10〜27週目の間に120mSV以上の放射線を浴びると胎児に精神発達遅滞が生じる可能性がある

つまり、妊娠中において50mSVを越える放射線を浴びなければ胎児に問題は起きないだろうという事が言えるのです。
ちなみに、宇宙や大地から人間が1年間に受ける自然放射線は、年間2.5mSVと言われています。 歯科で使用する小さいレントゲン1枚をアナログ撮影すると、0.04mSVの放射線調です。当院でも使用しているデジタル撮影の場合、アナログの約4分の1ほどの放射線量なので0.01mSVという計算になります。

普通のレントゲンに比べ、当院ではデジタルのものを使用しているため、従来のものよりはるかに放射線量、被爆量が減っています。また、撮影時には防護服も着用しますので、胎児に届く放射線量、被爆量は限りなく0と近い値になります。
ですので、当院では治療に際し、必要と判断すれば、レントゲン撮影も行います。

しかし、頭ではわかっていても、「もしかして・・」を考えてしまうお気持ちも、とてもよくわかります。私も、妊娠中は、出来る限りのリスクを減らしたいと思っていました。
ですので、治療においては、麻酔が必要なさそうであれば、まず麻酔無しで治療をし、痛みがあってどうしても我慢出来ない時は、最少量の麻酔をします。レントゲンも、撮影せずに治療出来そうであれば、むやみに撮影は致しません。

つまり、リスクと治療の必要度を天秤にかけて、その結果を患者様にお伝えして、納得のいく方法を選んで頂いています。ご不安な気持ちもよくわかりますので、カウンセリング時にお気軽に不安なことなどございましたら、ご相談下さい。

できれば、妊娠中に治療しなくても済むように、普段から健康なお口でいられれば、一番なのですが、なかなか難しいですね。

妊娠中に治療せずに痛みが出る方が良くないですし、生まれてくる赤ちゃんのためにもお母さんに虫歯が無いのが一番なので、一緒に頑張りましょう!

「治療に適した時期は、妊娠中期です」

しばらく歯医者さんに行っていなかったけれど、妊娠を期に一度診てもらおうかしら・・?
そう行って受診される方はだいたいの方がつわりのおさまった安定期、4〜5ヶ月頃に受診される方が多いです。
しかし、時々、虫歯や歯周病を放置していて、歯が痛い!と思った時には、すでに妊娠後期・・と言う方も、少なからずお見かけします。

妊娠の間は、初期、中期、後期に分類されます。
妊娠初期は大切な器官形成がされている時期で、流産のリスクやつわりなどもあり、応急的な処置のみに徹したい時期です。また、妊娠後期になると、お腹が大きくなってくるので歯科用の椅子に長時間座るのが大変になったり、場合によっては、足の付け根の血管が圧迫され、低血圧に(貧血様症状など)になったりすることもあります。

これらを踏まえて考えると、治療にベストな時期は安定期の4ヶ月頃から8ヶ月頃だと言えます。
しかし、初期や後期だからといって治療が不可能な訳ではありません。これらのリスクと治療の必要性をふまえ、治療すべきと判断すれば、治療を行うこともあります。
気になる症状と、体の状態を照らし合わせ、お気軽にご相談下さいね。

「歯周病と早産・低体重児出産について」

赤ちゃんは、羊水の中に「プロスタグランジン」という物質が、ある量に達すると生まれます。血中に歯周病菌が入り込んだとき、女性ホルモンの量は3倍に増加し、それに伴って羊水中のプロスタグランジンの量が増加し、早産を引き起こすと言われています。まさに、歯周病患者さんの早産リスクは通常の7〜8倍とのデータも。

また、進行した歯周病にかかっている妊婦さんは、早産だけでなく、低体重児出産のリスクも高いと言われています。
赤ちゃんにとって、子宮の中で40週まで過ごすのが一番です。ほんの少しのケアで早産のリスクを減らすことができるのです。
やはり、早めの検診と定期的なクリーニング、そしてきちんとしたホームケア。歯周病対策を習慣づけることで、赤ちゃんのお口もお母さんのお口も、清潔に保つことが可能になりますよ。

「妊娠と歯周病について」

「妊娠してから歯ぐきから血が出るようになった・・」これも、よく見受けられる症状です。原因は、「妊娠と虫歯について」のコラムで書いたようなものに加え、一番大きな原因を占めるのが、ホルモンバランスの変化です。これは、食い止め用がありません。
ホルモンバランスが変化することによって、お口の中では、これら、エストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンを好む歯周病菌が増加してしまうのです。そのため、妊娠5〜20週の妊婦さんには歯ぐきからの出血や、腫れなどを訴えられる方が多くいらっしゃるのです。

これらを改善する方法は、やはり歯周病菌を取り除くこと、歯周病菌が大好きな’磨き残し’を減らすことが一番です。
どんどんお腹が大きくなって行くと、歯科医院に通院するのも一苦労です。つわりが一段落したころでも遅くはありません。こういった出血が無い方も、将来的に出血が生じる可能性も否定出来ないので、一度、検診を兼ねてお掃除されることをお勧めします。
そして、お家でのきちんとした歯磨きの仕方をマスターすれば、問題なく出産の日を迎えられることが出来ると思いますよ!

ちなみに、これらの出血を放置しておくと・・
出産後、ホルモンバランスが改善されても、歯周病の原因である歯垢や歯石が残っているままだと、じわじわと歯周病は進行してしまいます。出産後は育児が待っているので、マタニティの時期よりももっと大変!やはり、早めのケアが大切ですよ。

「妊娠と虫歯について」

「妊娠すると虫歯になりやすい」そんな噂もチラホラ耳にしたことがある方もいらっしゃることでしょう。なんでも、赤ちゃんにカルシウムを取られてしまうから!とか。
しかし、妊娠によって虫歯が増える(増えたように感じる?または、進行する可能性が高くなる?)には、別の原因があるのです。

⑴つわりなどがきっかけで、歯磨きがおっくうになる人がいる
⑵ホルモンバランスが変化するせいで唾液の粘り具合が変わり、自浄作用が弱くなる
⑶これらの原因により唾液が酸性に傾き、虫歯の菌が増加傾向になる
⑷一度に食べられる量が減る人は、その分食事の回数が増えるパターンが多く、お口の中が汚れやすくなる
などが挙げられます。
これらを改善する方法としては、
1) 歯磨きの回数を増やす
   (歯磨き粉が気持ち悪ければ、ブラッシングだけでも頑張って!)
2) つわりで吐くことが多い方は、吐いた後に歯磨きか、ゆすぐかを徹底して!
   (胃液は酸性なので、吐いた後のお口の中は酸性です。すると、虫歯の菌も悪さ
    をし始めてしまいます。。)
3) ガムを食べられる人は、食べてどんどん唾液を出しましょう!
   (唾液の多い人は虫歯にもなりにくいのです。唾液には自浄作用といって、虫歯
    や歯周病菌を洗い流してくれます。食後にはキシリトール入りのガムを!)

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